準即失敗からの即

19:00梅田

この日は某日本一の学生数を誇る大学の2年生子とのアポ。
直前のLINEにて、焼き肉にいきたいと言われたが、僕はその要求を払いのけた。
向こうのペースに飲まれてはならない。
常に主体的に振る舞うというPUAの行動に則った。

彼女がすこし遅れて合流後、予約していた個室居酒屋へとむかう。
会話の流れはまあまあいい感じだったと思う。
恋愛遍歴を聞き出すと、1年間彼氏がいないそうだ。
でも彼氏以外とのえ○ちは何回か経験あり。
いい感じに精神的距離を縮められている気がする。
「顔ほてってるやん。」
そう言いながら僕は彼女のおでこに手をあてた。抵抗はまったくない。むしろ体をやや前のめりにしてきた。
今日はいける。
僕は少しずつ確信の糸をたぐりよせていた。
「そろそろ行こっか。」
店を出たあと、黙って手をつなぐ。
ここでも嫌そうなそぶりはない。
「今からどうしよ?カラオケいこか。」
「うん、ええよー。」
すぐそこのカラオケへin
最初から隣に座るとゆうポジショニングをとった。
お互いに2~3曲歌ったあと、黙ってギラつく。
キス。
ノーグダ。
パイもみ。
ノーグダ。
服の中に手を忍ばせる。
「ちょっと待って。私やれへんよ。」
ここでグダが入った。
「なんでなん?もしかしてやったらそれで終わりやと思ってる?
ゆっとくけど俺はそんな軽い男じゃないで。」
「でもやりたくないから今日は我慢して。」
「だって次いつ会えるかわからんやろ?お互い忙しいし。」
「会えるよ。それにこんな場所不衛生やし。」
.............

こんな感じのやり取りが続いて、けっきょくグダ崩しはならずに解散した。

彼女とは違う電車だったので、僕が乗る電車の改札前でさよならした。
たぶんもう会うことはないんだろうな。
いろんなことが頭をよぎる。

無理にセ○クスを押し通そうとする姿勢はAFCそのものだったのではないか?
さっきのは場所グダで、その後ホテルに行けば準即できたのではないか?

しかしそんなことは全て後の祭りだった。
俺はPUAになるんだ。
彼女に執着してはならない。



彼女を断ち切る方法はたった1つしかない。

僕の足はすでに改札と逆方向に向かっていた。


1声かけ目
2言ずつぐらい会話を交わしたが全く食い付きがない。放流。

2声かけ目
ガンシカ。

3声かけ目
ガンシカ。


お酒が入っていたせいか、いつもより疲労が早い。

場所名は知らないが、
サークル場にベンチが並んでいるところで休憩をとった。

すると、黒いタイトスカートをはいた女性が目の前を通りすぎた。
すかさず顔を伏せて気づかないふりをする。

キョロちゃん理論だ。ハッとなった。
彼女は明らかに何かを探している。
彼女が角を曲がって見えなくなったところで、僕は立ち上がり彼女の後を速足で追いかけた。

「すみませんもしかして道に迷ってます?」

ふと顔を見ると、1声かけ目で放流した子だった。
「あ、さっきも会いましたね笑
さっきから何を探してるんですか?」

「この辺で飲めるところないかなーと思って。」

さっきと違って食い付きがいい。
聞くところによると、
三重から最近大阪に移ってきたので、梅田を全く知らないとのこと。

「じゃあ僕おいしいワインバー知ってるんですけど、そこいきません?」

要求はあっさりと受理された。

バーで話を聞くと、29歳看護師。
仕事上の他愛もない話を30分ほどして、
店を出て手をつなぐ。
ノーグダ。
そのままホテル街へといく。
嫌そうなそぶりはない。
そのままホテルへ入ろうとすると、
「え、ここ入るの?」
と、立ち止まった。

僕は黙って彼女を抱き寄せ、
そっと口づけをした。

「これが僕からの気持ちです。」

THE GAME風に言えば彼女の目は餌をねだる犬のようだった。

そして再び手を繋いで入店し、そのまま情熱的な一夜を過ごした。