クラブナンパノックDay2 ~失う覚悟とは~
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「私が勝者なのは、過去をすぐに忘れ、
常に未来を考えるからだ。勝つためには
常に強力なモチベーションを持ち続けることが不可欠だ。」
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クラブナンパノック初日を終え、G-MONKEYは考えあぐねていた。
ミスアダもブーメランこそ回収したものの、グダを崩しきれずに即には至らなかった。
幸先が悪い。何かを変えなくてはならない。
何かにすがる思いでG-MONKEYは部屋の片づけを始めた。
あらゆる邪念を取り払うため、生活空間から清めることにした。
月曜日 21:40 難波
昨日の経験より、ピークタイムを見据えて
集合時間を1時間遅らせることにした。
G-MONKEYとミスアダ、大きな街の隅っこで小さな2人はコンビニ酒で静かに乾杯をした。
ゲーム開始のゴングが鳴った。
22:00 GIRAFFE osaka
フロアは既にたくさんの人で埋まっていた。
初日の反省をいかし、2人は間髪入れずに声掛けを開始した。
ただし音楽にノることを忘れずに。
ここはストリートではない。すなわちルールが存在する。
音とお酒を楽しむこと。
ルールに則したナンパを心がけた。
24:00
2人組の案件と和み。
G-MONKEYの担当は元夜職。
即系と判断できなくもない。
なによりパーソナルスペースがかなり近い。
ミスアダも担当とかなり和んでいる。
2人の目が合った。この子たちを連れ出そう。
連れ出し打診はすんなり承諾された。
「俺たちちょっとコンビニで買い物してくる。」
ミスアダの一声でセパ完了。
彼なら必ず即るだろう。G-MONKEYは確信していた。
G-MONKEYの担当は即るにはまだ食いつきが足りない。
Ammonaに行こうと彼女が言った。
ここでさらに和んで仕掛けよう。G-MONKEYは提案を承諾した。
1:00 Ammona
まだピークタイムではなかった。
バーカンでお酒を貰い、乾杯。話の続きをする。
だんだん話のネタが尽きてくる。まずい。
G-MONKEYはクラブトークが苦手だった。
爆音が響き渡るクラブ内では、シンプルかつ分かりやすい言葉でキャッチボールを続けなければならない。
しかしG-MONKEYは繊細な表現を使う癖があった。
結果、渾身のボケも通じずに終わることが多かった。
彼女は踊りたいという。しかしG-MONKEYは少し疲れていた。
温度差が大きくなっていく。
手を打つなら今しかない。
「ねえ、ここから出よう。俺、思ったより疲れてたよ。何かクラブの気分じゃない。」
「えー、何でよ。今から盛り上がるとこじゃない。」
「ごめん。俺はもうここにいても楽しめない。」
「そんなあ、、」
渋々と彼女は出ることを承諾してくれた。
ミスアダからLINEが来ていた。
ホテルに入ったそうだ。さすがだ。
彼は才能に満ち溢れたプレイヤーだ。
G-MONKEYもそれに続かなければならない。
今夜、2人のPUAはコンビ即を決めるんだ。
2:00
Ammonaを出てからG-MONKEYは彼女を連れて南側へと歩いた。
GIRAFFEを出た時より彼女からのIOIは少なくなっている。
しかしここで決めるしかない。歩きながら、脳内であらゆるグダ崩しをイメージした。
千日前通りまで来た。
「ねえ、私達どこにむかっているの?他のクラブに行きましょう。」
「俺は今日はクラブに行っても楽しめないよ。でも君とは一緒にいたい。ホテルで休もう。」
遠回しな表現は使わず、ストレートな言葉で打診した。
「何言ってるの?私達付き合ってないじゃない。
ホテルに行っても寝るだけだよ?ヤらないよ?」
想定通りのグダが返ってきた。
価値観洗脳ルーティーンで切り返す。
価値観を共有するのではなく、相手に植え付ける。
俺は付き合うのとセックスとの順番にこだわったことがない。
でもそれで後悔したことは1度もない。
自分は正しいと思っている。と。
「私もG-MONKEYのこと良いと思ってるけど今日はそんな気分じゃない。
やっぱりクラブで遊びたい。ねえ、一緒にもどろ?」
ルーティーンはうまく機能しなかった。
ーPUAは常に失う覚悟を持てー
G-MONKEYの脳内でこだました。
彼は賭けにでた。
「じゃあこうしよう。君が何と言おうと俺はホテルの方向へ歩く。
あとは君に任せるよ。クラブに戻りたいなら逆方向に歩きだせばいい。
俺は君と一緒にいたい気持ちは確かだ。でもその場所はクラブじゃない。」
彼女からのIOIが
復活しつつある中での決断であった。
1人にしないで、と彼女は言う。
G-MONKEYは構わずに歩き始めた。
PUAとして絶対に後ろを振り返ってはならない。
本気で立ち去ろうとしなければならない。
もうすぐで彼女は呼び止めに来るだろう。
そうすればゲームの勝利に大きく近づく。
G-MONKEYを呼び止める者は誰もいなかった。
別れた地点からかなりの距離を歩いたとこで、
G-MONKEYはそっと振り返った。
彼女はどこにもいなかった。
自分の判断は正しかったのだろうか?
G2へ向かう途中、G-MONKEYはずっと考えていた。
ホテル打診自体は1度は通っていた。
ホテルに入ってからグダを崩していくべきだったのだろうか。
彼は失う覚悟を持ちきれてはいなかった。
3:30 G2
まだ人はほとんどいなかった。
フロアが盛り上がるまでの間、asapenさんのクラナンノックの記事を読んだ。
【7日間連続】六本木のクラブナンパ連続ノックに挑戦してみる | 六本木でナンパしながら起業する
良いイメージを必死で頭に描いた。
4:30
そろそろいくぞ。G-MONKEYの足が動き出した。
ミスアダからLINEが来ていた。
リーセグダを崩して即を決めたそうだ。
負けてられない。
心斎橋1といっても過言ではないほどの爆音がフロアを包み込む。
ここではトーク内容などよりも見た目のスペック、振る舞いがものをいう。
G-MONKEYにないスキルを磨くにはうってつけの場所だった。
体を揺らしながら声をかける。
ミリオンダラースマイル、オーバージェスチャーを意識。
しかしあまりささらない。
6:20
G-MONKEYは心を折られていた。
一刻も早くここからでたい。家に帰りたい。
気が付くとフロントを通り過ぎ、退場していた。
クラブナンパノック2日目
ゲーム終了の鐘が鳴った。
結果
4番ゲ
1連れ出し
0即