クラブナンパノックDay3 ~鉄は熱いうちに打て~
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「矛盾しているように思えるかもしれないが、
攻撃的なチームを作ろうとすればするほど、
相手からボールを奪うという観点で、
守備的な規律やルールが必要になる。」
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火曜日 21:30 難波
G-MONKEYは1人でこの地におりたっていた。
ミスアダから仕事が遅くまで長引くとの連絡が来ていた。
いつも通りGIRAFFEに向かうか。
いや、そこまで急がなくてもいい。
G-MONKEYは考え直した。
ブログをまったく更新できていなかった。
また記事を溜め込んでしまっては、負の連鎖に陥ってしまう。
G-MONKEYはネカフェに入った。
1つだけ記事をエントリーしよう。
23:00 GIRAFFE osaka
フロアはすでに熱気を帯びていた。
ミスアダは終電で来るため、1時間ほどソロで声かけを開始する。
この日はバーカンでロングアイランドアイスティーを頼んだ。
いい感じにアルコールが回ってきた。
今日は音楽が心地よい。
3人目に声をかけた女と和み。
即系の匂い。
お互いに腰に手を回す。
ときおり唇と唇が触れそうなほど近づく。
「友達はどっか消えちゃったの?」
不意に聞いてみた。
「いるよ。」
彼女はそう言って後ろを指差した。
長身の男がバーカンにもたれかかっている。
どうしよう。一瞬、G-MONKEYは焦った。
そんなとき、ふと高校時代の恩師の記憶が頭をよぎった。
ー「G-MONKEY、無敵になるためには何をすればいいかわかるか??」
「え、いったい何ですか、先生??」
「簡単さ、敵を作らなければいいんだ。
試合で対戦する相手もお前を成長させてく れる同志だ。そう考えたら敵と思わなくな ってこないかい??」
「・・・」ー
無敵の男に、俺はなれるか。
バーカンの男にG-MONKEYは話しかけた。
「彼女は友達なんですか??」
「職場の先輩なんですよ。」
とても柔らかい雰囲気をもった人だった。
年はG-MONKEYの1つ上。
クラブは全くの未経験とのこと。
即席でコンビを組んでナンパをすることになった。
とても楽しいひとときだった。
男と女の両方から番ゲしてG-MONKEYはGIRAFFEをあとにした。
ミスアダから難波に到着したとの連絡が来ていた。
1:00 VANITY OSAKA
ミスアダと合流したあと、GIRAFFEに再入場した。
割引リストバンドを貰うためだ。
しかしGIRAFFEで巻いてもらったバンドはVANITYのスタッフに切り取られてしまった。
戦っているのは自分たちだけではない。
クラブ同士も、競合より少しでも儲けようと必死であった。
ゲストをとったため、1ドリンク600円のみで入場。
しかし絶望的に案件が少なかった。
1番ゲだけしてすぐにでた。
1:30 Ammona
Ammonaは相変わらず平日でも人が多い。
サージングをしつつ、声掛けを重ねていく。
番ゲはできるが連れ出せない。
もたもたしているうちにフロアの人はどんどん減っていく。
場所を変えよう。
決断したら行動するしかない。
ずんどう屋で腹ごしらえをする。
最終決戦地のG2で最高のパフォーマンスを発揮するため、
2人はネカフェで仮眠をとった。
5:15 G2
レッドブルウォッカで乾杯を交わし、乗り込んだ。
やはりこの人ごみの中では思うように声掛けができない。
2階で待機することにした。
目の前を通り過ぎる案件に片っ端から声をかける。
数組に逆放流を食らったあと、階段を登り退場しようとする2人組を発見。
3秒ルール。ミスアダが間髪入れずに叫ぶ。
「みつは!!」
オープンした。
ミスアダは時代の流れに敏感な男だった。
2人とも相当酒が入っている。
どうする?ミスアダと目があった。
この子達と出よう。
2対2で和みながら歩く。
距離感はかなり近い。
4人でのカラオケ打診。グダ。
セパをするタイミングが中々つかめず、大通りの淵で座って休むことになってしまった。
ここでもうすこし和むか。
G-MONKEYの担当はそっともたれかかってきた。
目が合う。顔が近づく。キス。ノーグダ。
G-MONKEYは可能性を感じ始めていた。
「2人きりになりたい。」
「えーでも今日は〇〇ちゃんをうちに泊めないといけないから。」
「ごらんよ、彼女はミスアダといい感じじゃん。」
「俺は君といたいんだ。ホテルに行こう。」
「だーめー。」
これは形式グダではないのか?でもどうセパする?
手を引っ張っても立とうとしない。
G-MONKEYが考えあぐねているときにも、ミスアダは着々と担当を仕上げていた。
「俺たち、ちょっとトイレを探してくるよ。」
あっさりとセパが決まった。
彼とコンビを組めていることをG-MONKEYは心から誇りに思った。
「先にカラオケに入っておこう。」
「なんで?ここで待っといたらいいじゃん。」
「あそこのジャ〇カラってさ、水曜の朝が一番混むんだよ。仕事終わりのキャバ嬢とかで。」
「なにそれ。」
なぜだ?2人の心は平行線を描いたまま、一向に交わる気配がない。
彼女は徐々に冷静さを取り戻しつつあった。
「ていうかあの2人遅いよね。連絡してみる。」
G-MONKEYは彼女を特に止めなかった。バカだった。
しばらくすると、ミスアダと彼の担当案件が返ってきた。
俺たちは合流してしまった。ゲームオーバーだ。
彼女たちを放流した。
「ミスアダ、そっちはどうだった。」
「ホテルの前まで行ってたんだけどさ、入る直前にG-MONKEYの担当子から電話が来ちゃって。俺の担当子もごめんねって言ってここに戻ってきたよ。」
G-MONKEYがあのとき電話を制止していれば、ミスアダは即を決めていたかもしれない。
あとのまつりだった。
俺たちPUAはどんなことがあろうとも女よりウイングを優先する。
最高の信頼関係で結ばれている。
しかしそれは彼女たちにとっても同様だった。
目の前に魅力的な男がいても、友人が困っているならば必ず駆けつける。
その友人を困らせたのはほかでもないG-MONKEYだった。
これがコンビナンパが難しいと言われる所以だろうか。
ふと我に帰った。目の前をおびただしい数のサラリーマンが通り過ぎていく。
クラブナンパノック3日目が終わりを告げた。
~結果~
5番ゲ
1連れ出し
0即